古くて新しい日野のまちから発信する―「日野映像支援隊」の活動を紹介―


ロケのメッカ日野市のふれあい橋

東京ロケーションボックスでは都内に13あるフィルムコミッションと日ごろより連携して作品支援にあたっています。そのうちの一つ、「日野映像支援隊」は国内にあるフィルコミッションの中でも歴史が古いベテランフィルムコミッション。四季折々の景色や、官民を問わず幅広いロケーションを武器に、常に積極的にロケ支援を行っています。日野映像支援隊・代表の中川さんに、お話を伺いました。

きっかけは地元愛。日野に注目を集めよう!と誕生した「日野映像支援隊」

中川さん:私は長く映像業界で仕事をしていて、スタッフとしての経験もありますが、プロデューサーになった時に初めてロケ地探しを経験しました。もちろんフィルムコミッションなんてない時代です。自分たちの足を棒にしてさがしましたよ。

一つ目の転機は情報番組のディレクターになった時です。ドラマ制作をしていた自分が、地域の人々と触れ合うことを通じて初めて、市民と地域との関係性について真剣に考えるようになりました。それは改めて現実を知るような、カルチャーショックともいえる出来事でしたね。

そのうち取材をきっかけに日野市を知って、これが二つ目の転機となりました。日野で店をはじめ、この町に人を集めるにはどうしたらいいんだろうと考え始めたんです。そして2000年に久米宏さんの番組で、その年大阪と横浜に導入されたフィルムコミッションが紹介されました。それならば日野でもフィルムコミッションを始めれば人が来るのではないかと考えました。業界の関係者は誰もおらず、地元愛が強い日野の人が集まって、少しでも日野に注目が集まれば、うれしいよね、という全く計算のないところから始まったのが日野映像支援隊です。

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日野映像支援隊の事務所がある               「ひの市民活動支援センター

 






東京ロケーションボックス(以下TLB):設立当初から、日野市内のロケーションに関する問い合わせは多かったんでしょうか。

中川さん:それは常にありましたが、皆市役所に対する問い合わせだったんですね。そこでメンバーで相談して、日野市との関係性を築く必要があるだろうということになりました。

学校などの行政施設の利用についての相談のため、3年ぐらい市役所に通いつめていたでしょうか。2003年に学校が使えるようになりました。それで2005年には木村拓哉さんが出演した「エンジン」の話を受けることができて、業界内での口コミで評判が広がるのと並行して、市への問い合わせについても日野映像支援隊を紹介されるようになりました。映像支援隊が一括した窓口になるまではさらに2~3年ほどかかったでしょうか。役所には人事異動があるので、事業の経緯を引き継ぐことはいつも大変ですが、私たちも経験を積み、今では市役所とは非常によい関係性が築けています。
 

地域活性化を目指して、多摩地域に広がる映像支援のネットワーク。

中川さん:映像作品が地域にやってくることの最大のメリットは地域活性化です。私自身がこの仕事を始めたきっかけも、人が集まって地域がにぎやかになればいいという気持ちでした。そして段々と日野は活用されていない施設がたくさんあって、もったいないと思いました。最初は無料で施設を貸していましたが、そのうち市に提案して撮影時の使用料の徴収方法を決めた条例を作ってもらいました。日本でも1番目か2番目のことだったそうです。

2001年に団体ができて、2005年にNPO法人になりました。もちろん日野にないものについてもたくさん問い合わせはあり、別の地域をロケ地として紹介したりもしていました。そのような経緯から、他の地域との情報交換をやるべきだと思い、2005年に多摩地域でのフィルムコミッション交流会を呼びかけました。多くの団体に参加してもらい回を重ねる中で、正式に多摩地域フィルムコミッション連絡会を組織したのが2009年。今では毎月一回会議を設けて情報交換をしています。

TLB:実は今日まで中川さんは日野のお生まれに違いないと思っていたんですが…

中川さん:日野の出身ではないですが、住んでみたらば、実に奥行のあるいい町でした。私はよく「普遍性の町」といいますが、坂があって高台から広がる街並みを見渡すと、どこにでもなれる町なんです。それが日野の売りです。

 

日野映像支援隊のこれから―市民参加の映像支援

中川さん:本当にたくさんの作品が日野にはやって来ます。年間の支援作品の平均は90~100本、問い合わせは年間1000件以上、その半分はリピーターです。ふれあい橋など、撮影のしやすさから、本当に多くの作品が撮られた場所もあります。

いろいろな撮影を支援しましたが、まだまだ解決したい問題もたくさんあります。肖像権の問題。支援作品を地域活性化に結び付けること。制作会社の方々とよい仕事をすること。まだまだ入口ですよ。

日野映像支援隊としての次の目標は、市民にロケ支援にもっともっと参加してもらうことです。そのために自治会などの希望も聞いて進めていきたいと思っています。可能であれば多摩地域が舞台になった映画ができればいいなとも思いますね。
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ロケ立会いの現場
 

自分が暮らすまちを他者の目を通じて発見する―映像作品を通じて郷土愛を育む喜び

中川さん:私のエネルギー源はみなさんがよろこんでくれることなんですよ。たとえば、中学生がロケ地をテーマにした壁新聞をつくって、自分たちの町を誇らしく紹介したことがありました。小さい頃にテレビや映画等で他者の目を通して、普段は空気みたいにしか感じていない自分の街を、ロケ地として再認識することで、一生涯つづく郷土愛を育むきっかけになることがなによりうれしい。

TLB:制作者の方のための満足ではないのですね。

中川さん:そうです。制作者に対しては注文の方が多いかもしれない。でも人生で一番楽しいことは町の中でも外でも、制作者の方々も、いろいろな人に出会えることです。そうじゃありませんか。
 

★「日野映像支援隊」へのお問い合わせはこちら★

特定非営利活動法人 日野映像支援隊
【住所】東京都日野市日野1369-27 ひの市民活動支援センター内
【電話】042-843-1301 
【FAX】042-843-1302
【メール】info-enq_act2001@hino-film.com 
【HP】http://www.hino-film.com/

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  日野映像支援隊の取材を終えて…  

取材ではもちろんもっとたくさんのことを教えていただき、すべてを掲載できないことは残念なのですが、中川さんのお人柄はお分かりいただけるかと思います。地域のフィルムコミッションには、地元のために本当に一生懸命活動されている、中川さんのような方がたくさんおられます!撮影隊のみなさんは、ぜひこういった方を頼られてください。

また日野でロケをされた作品の中で印象深いものは…という問いに対して、「エンジン」にも登場するふれあい橋を挙げていただきました。通常作品の中では場所が特定できないものが多いですが、ふれあい橋はもともと美しい場所が、作品中でもそのまま生かされていたので印象に残っているそうです。そして、条件があえば冬にはこの橋から富士山が見えるとのこと…。いつか映像の中で見てみたいですね。

中川さん、お忙しいところありがとうございました!!

 


 

 

 

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