東京ロケーションボックス支援作品 『いぬやしき』佐藤信介監督インタビュー【後編】


第36回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭(2018年4月3~15日)
インターナショナルコンペティション部門作品賞「ゴールデン・レイヴン賞」受賞‼

講談社のマンガ雑誌「イブニング」にて連載され、TVアニメ化もされたSFマンガ『いぬやしき』。その待望の実写映画化作品が2018年4月20日から公開。監督は、同じ奥浩哉が原作の『GANTZ』や、『アイアムアヒーロー』の映画化を手掛けてきた佐藤信介監督。
原作マンガでも東京が舞台で、特に新宿の街で繰り広げられる壮絶なアクションが大きな見せ所である本作。あの大迫力の空中戦を実写でどのように見せてくれるのか気になっていたファンも多かったのではないでしょうか。
「東京ならではのヒーロー映画が作れた」と語る佐藤監督に、映画の見所とロケ地の重要性、そして東京という街の魅力についてお話を伺いました。

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※このインタビューは、2018年2月(映画公開前)に行われたものです。
※本記事には映画『いぬやしき』の内容に触れる箇所があります。

【前編】はこちら!

―新宿のシーンで特にこだわったシーンはありますか。
佐藤:高層ビル群のあたりもそうですけど、トンネルのシーンはどうしてもやりたいなという思いがありました。僕らも限られた予算の中でやっていますので、あのシーンも、予算的に削除するかどうか、存亡の危機にあったこともありました(笑)。

―トンネルにこだわったのはなぜでしょうか。
佐藤:空を飛ぶようなスケールの大きいアクションばかりではなくて、狭くて小さなチューブ状のところに入って行き、そこで小さなアクションにドキドキするようなシーンが欲しかったんです。トンネルもそうですし、そこを走る車ってすごく日常的なモノなので、車がでてきた途端にみんなリアリティを感じられると思ったんです。それがあるとないとでは大違いだなと。ただ、やるとなると、予算も手間もかかるシーンですし、シナリオ的には無くてもいけるところでもあったのですが(笑)、「なくてはならないんだ!」ってことを強く訴えてあのシーンを作りました。

佐藤:この作品は、アクションもので大空を飛んだりしますが、元は小さな日常のちっぽけなことで悩んだりとか、ささやかな人生を背景に展開していく物語でもあります。その中で、(主人公が)人を救うことになり、やがてバーンと空に飛ぶわけです。アクションの中にも日常性との関わりを出したかった。

『いぬやしき』は家についての物語

―新宿のシーン以外で、特にこだわった点はありますか。
佐藤:『いぬやしき』という作品は家の話だと思うんです。獅子神の家、犬屋敷壱郎さんが頑張って作ったのにバカにされる家、あるいは獅子神のお父さんの家もそうです。日常の小さな風景の中で展開される物語なので、家に関してはこだわりがありましたね。美術監督の斎藤岩男さんとも話して、いぬやしきの家は忠実に再現したいなと思って、ロケで探して撮るという選択肢もあったんですけど、あえてここは美術で作ろうと。

―同じ東京の街でもいろんな家族がいて、格差もあるんだなということが、よく伝わってきますね。
佐藤:渡辺しおんは団地に住んでて、おばあさんと2人暮らしだったり、いろいろ出てきますよね。そういうことも含めて、やっぱりこの作品は家の話だよねって。

―キャラクターごとに象徴的な場所があるようにも感じました。
佐藤:そうですね。毎回そういうものを作っています。たとえば、犬屋敷さんだと落書きのあるトンネルが象徴的ですね。あのトンネルはTV版『GATNTZ』の『ANOTHER GANTZ』でも使ったトンネルなんです。その時の記憶がずっとあって、撮影監督の河津太郎さんとカツアゲのシーンをどこで撮ろうかと話していて、繁華街だと人通りが多いし、あのトンネルなら人気がなくて、郊外の中の日常的な空間でありながら、ある殺伐とした雰囲気もあり、いいんじゃないかって話になって。

―ロケ場所ですと、獅子神と安藤が話している橋がとても印象的でした。監督がロケ場所を選ぶ時に、いつも大事にするポイントはなんでしょうか。
佐藤:あの橋は良かったですね。あそこは都内の郊外のほうにあります。コンクリートの雰囲気がありつつ、ちょっと郊外で、川があって、そして、橋が二重の立体構造になっている。あの橋は独特で、上に車道があって下に歩道があるんです。なので、下の道は全面歩道になっている。しかも空が塞がれていて閉塞感もあって。ああいった、ちょっとした空間が好きなんです。構造が面白いし、芝居を撮る時、カメラをどこに向けても何か感じるものがあるというか。カメラの切り返しができないとなると、芝居が限定されてしまう。できるだけ、その空間の雰囲気を活かして、芝居を作りたいなと考えますね。

東京ならではのヒーロー映画を作れた

―最後に、佐藤監督が考える「東京の魅力」とはどんなものでしょうか。
佐藤:この物語は東京に住む市井の人が、突然わけのわからないものに巻き込まれて、とてつもないことになっていくフィクションです。でも、生々しい現実感というか、ジメッとしている雰囲気もある。そして、それを吹っ飛ばすようなアクションの気持ちよさがあります。日本ならではの、少しジメッとした空気感も活かしたエンターテイメント性、それがこの映画の魅力だと思います。だから、これはロサンゼルスでもニューヨークでも絶対に作れない。東京だからこそできるヒーロー映画です。ヒーローものを見飽きたという人も、今までと違う感覚を楽しめる作品になったと思います。

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